国債報償運動の結末
全国的な広がりをみせた国債報償運動は日帝の弾圧や内部の分 裂などにより、所期の目的を達成できずに終わりました。１９０９ 年１１月に組織された国債報償処理会では保管していた義捐金で 土地を買い入れて民立大学を建立しようとしたが、これを統監 府が拒否したので志を果たせず、庚戌国恥（日帝の韓国併合、 １９１０）後、日帝に奪われました。慶尚北道星州郡のような地域 では募金した義捐金を日帝に渡すことはありえないとし、義捐金 で星明学校を設立して愛国教育を実施するなど、全国各地で義捐 金を教育に使うこともありました。 国債報償運動は「一千三百万圓の国債を返して経済国権を回復 しよう」とした最初の目標は果たせませんでしたが、挙国的な参 加・結集によって民族意識を涵養し、また独立思想を鼓吹しまし た。身分・階級・性別・年齢・宗教や国籍までも超越して展開さ れた国債報償運動は日帝の様々な策動により挫折されましたが、 この際形成した国民の結集力と愛国精神は１９１９年の独立万歳運 動（３月１日）、１９２０年代の物産奨励運動や民立大学設立運動など 植民地治下での独立運動を持続させた民族の底力となりました。
＊おことわり
一部不適切な表現がありますが、当時の文献や史実にもとづき記載いたし ました。